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投稿者Seira TE/C&Aover 5 years ago

ファイヤーストップ,水密性

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本記事は、下記の内容を含んでいます。

  1. はじめに
  2. 用語の定義
  3. 耐降雨性
  4. 糸状菌とカビ
  5. 水密性
  6. 試験結果



1.はじめに


ヒルティでは,防火措置工法・製品において,完成後の供用中の建物だけでなく,建設中の段階も含め,水分や湿気について考慮した開発を行っています。建物の建設中においては,完全に密閉される前に,時として床全体が雨水で浸水する可能性が考えられます。また,硬化が不十分なシーラントは洗い流される可能性もあります。したがって,これらの製品にはある程度の耐降雨性が必要となると考えています。さらに,湿度の高い部屋では,防耐火製品が初期硬化した後でもカビが発生する恐れがあります。カビが発生することで,防耐火製品(工法)の意図した機能に悪影響を及ぼしてはいけません。防耐火性を有する貫通部は,事故や火災の際,水損被害を最小限に抑えるために,ある程度の水密性を有することが期待されています(送水管の破裂や消火水などの水損)。したがって,防耐火工法の耐水性は,主たる耐火性能の機能に加えて重要な追加機能となります。

以上のように,ヒルティの防耐火工法(製品)は,パッシブな(受動的な)防火の要求事項に従って国際的に試験および認証されているだけでなく,該当する規準に従って耐水性の観点からも試験および認証されています。この記事では,一般的な耐水性の原理原則を記述するだけでなく,耐水性を必要とするヒルティの防耐火製品の使用用途に関する実例と情報を提供しています。

2.用語


耐降雨性(Rain resistance)
部材と部材の接合部や区画等貫通部において,建造物が完成する前の構造体が立ち上がっている段階でも,耐火性能が要求されます。そして,防耐火製品を施工した直後に水が建物に侵入した場合,塗布直後のシーラントや防耐火塗布材が洗い流されることがあります。したがって,施工者・使用者は,防耐火製品が水や雨水による影響を受けないように,それらの製品が十分に乾燥して硬化するのに掛かる時間を確認する必要があります。DIN (ドイツ工業規格) 52461 は,シーラントと塗布材の耐降雨性を,再現性のある結果として判定できる試験方法について記載しています。

糸状菌とカビ(Mould and mildew)
カビは,多くの種類の建築材料を浸食してダメージを与える可能性があります。その上,真菌は建物の居住者やその関係者の健康に有害な胞子を放出します。真菌そのものが存在しない状況下でも,防耐火工法はカビから効果的に保護されていなければなりません。様々なヒルティ防耐火工法の防カビ性能は,国際規格 ISO846 および米国規格 ASTMG21 に従って,関連する種類の真菌で試験されています。
 
水密性(Water tightness)
これは,防耐火工法の一時的な水密性を意味するものと認識されています。この特性は,事故(火災による消火水,管の損壊)において,結果として生じる水損をできる限り最小限に抑える観点から重要となります。この水密性試験は,米国規格 UL 1479 に準拠して,防耐火工法(製品)をある一定時間の間,約1m(3フィートに相当)の水柱に暴露させて,その圧力に耐えうるかどうかを試験するものです。



3.耐降雨性(Rain Resistance)


建物の構造体が建設途中であっても,部材と部材の接合部および区画等貫通部においては,延焼防止のため密閉する必要があります。また,建設の早い段階においても,降雨による浸水の可能性があります。塗布したばかりの水溶性シーラントや水溶性塗布材は,表面が硬化する前に降雨に曝露された場合,表面が洗い流されてしまいます。このような降雨による曝露の可能性があるため,カーテンウォールでの施工の際には,適切に措置及び塗布する必要があります。特に外装部と床(デッキ)との取合い部(層間部)においては,まずロックウールを充てんし,続いて耐火塗布材を塗布します。床(デッキ)上面に雨水が降り注いだ場合,施工して間もない耐火塗布材に雨水が直接流れ,充てんしたロックウールを介して床下に流出する可能性があるのです。




耐降雨性試験
水溶性シーラントの耐降雨性は,ドイツ工業規格 DIN 52461 で規定されています。 この規格では,試験するシーラントを試験体に塗布し,一定時間養生させた後,2 bar (2 atm(気圧) = 200,000 Pa) の圧力で10分間降雨に曝露させる試験です。降雨に曝露させた前後の試験体の重量の差で最終的に耐降雨性を決定し,視覚的な評価が行われます。

結果
次のヒルティ防耐火工法は,DIN52461 に準拠した試験を行いました。

ヒルティ防耐火工法の耐降雨性:




ファサード(外壁)用途 試験体設置状況(CP 672 耐火塗布材・ジョイントスプレー)

4.糸状菌とカビ


近年,建物にさらに厳しい省エネ規制が導入された結果, 建物の外装は湿気や通風からより一層厳重に密閉されるようになっています。 さらに,最新の分散塗料とプラスチック含有量の高い壁仕上げ材(ポリ塩化ビニル壁仕上げ材)は,水蒸気をほとんど拡散させないバリアとなっています。その結果,窓やドアなどの温度差を生じる場所でカビの発生に関する苦情が日常的に多くなってきています。建物内のカビや真菌の発生を防止する対策は,建物の計画段階で適切に行う必要があります。 これには,正しい素材と材料を選択した上で,それらを適切に使用したり措置する必要があります。
 
真菌の形成
真菌の胞子はどこにでも見られます。次の条件の場合,真菌の成長を促進します︓

  • 温度と湿気(20~35°C、相対湿度60~85%)
  • 恒久的に湿気のある場所
  • 真菌が成長できる栄養素のある場所。例えば,壁仕上げ材,木材,繊維,プラスチック,ゴムなど。


通常の使用条件下では,建物内の真菌は,特に,地下室や浴室,台所,または,ドアや窓回り等の熱橋(ヒートブリッジ)で発生します。建物内の湿気は,漏水による水の浸入,管の破裂(破断),もしくは,スプリンクラー設備の初期作動後などの例外的な事象の結果として上昇する可能性があります。


建物内の糸状菌とカビの発生

真菌の影響
真菌には様々な種類があります。それらの発生が大規模である場合には,時として,健康に対して深刻で有害な影響を及ぼします。 これらの例は次のとおりです。

  • 青カビ科の幾つかの種
  • アスペルギルス属のある種類のもの


真菌が存在する部屋の居住者は,一般的な風邪と同様の頭痛,目の炎症などに苦しむことがよくあります。 胞子を長期間吸入すると,特定の気質の人はアレルギー反応を起こすことがあります。 極端な場合,真菌に攻撃された建物はもはや住むことができず,取り壊さなければならないケースが出てきます。真菌が建築材料を栄養源とするという事実によって,さらに二次的な問題が生じます。これは,真菌が発生した場所では真菌がその材料にダメージを与えることを意味します。 軽度の場合,それらの材料が変色する可能性がありますが,極端な場合では,その攻撃力によってその材料の物理的特性(強度,伝導性,弾性など)が変化する可能性があるのです。

真菌の増殖を防ぐ方法
3人世帯では,居住者自身が水蒸気(1人あたり1時間あたり30~100 g)を放出し,シャワー,洗濯,調理,そして植物などの水分源から放出される水蒸気は,合計毎日6~14kgです。 同レベルの水分は,工場地帯や事務所エリアでも発生します。建物の内部から10kgの水蒸気を運び去るには,約250㎥の空気を移動させる必要があります。これは,不要な湿気を運び去るために,関係する部屋の空気を約2~3時間ごとに入れ換える必要があることを意味します。これ以外の有用な日常のアクションとしては,部屋が適度に加温されていることを維持することです(約20°C)。 絶対的条件として,暖かい空気は冷たい空気よりもより多くの水蒸気を吸収することができます。 これにより,熱橋(ヒートブリッジ)での結露の量が減少します。適切な評価をする上では,熱橋(ヒートブリッジ)を回避または低減するためには,建物の構造にも適切な対策を講じる必要があります。

建材の保護
建材をカビの浸食から守るために,様々な対策を講じることができます。

主に,2つのアプローチが考えられます。

  1. 製品にカビを発生させないようにすること
  2. 製品が真菌の増殖によって浸食されないこと,およびその機能性(防耐火性)が損なわれないことを確認すること


建設に使用される製品での真菌の形成は,防カビ剤の添加によって効果的に防ぐことができます。 しかしながら,この添加剤は,経年変化で水または湿気によって製品から浸出する可能性があります。さらなる問題は,ほとんどの防カビ剤が健康に有害であるという事実があります。従って,適用可能な濃度は可能な限り低く保たれるか,あるいは,代替として,製品の化学的分析に組込むことことができる物質が使用されます。よって,最適な解決策は,適切な材料の使用により,真菌に栄養を提供せず,結果的に浸食されるリスクのない製品を使用することです。この種の製品は保護としての防カビ剤を必要としません。これは,新しい防耐火工法の開発においてヒルティが行ったアプローチとなります。


アスペルギルス属の真菌をクローズアップ

真菌に対する耐性試験
ヒルティの防耐火工法・製品が,真菌による攻撃から効果的に保護されていることを確認するため,ヒルティから独立した第三者試験機関にて,ASTM (米国試験材料協会) G 21 及び ISO 846 の規格に準拠して試験を行いました。 以下の2つの真菌を用いた試験を実施しました。

  • 黒色こうじ菌
  • ペニシリウム フニクロスム


これらの真菌は両者とも非常に急速に成長する攻撃的な種です。これらは健康に有害な物質を放出する可能性があり,よって,その建物の居住者にリスクをもたらします。ASTM G21 と ISO 846 の試験では,製品試験体標本は,該当する真菌胞子が噴霧された無栄養の岩塩溶液(寒天A)で4週間恒温培養されます。これは,製品試験体標本だけが真菌の栄養源であることを意味します。製品が栄養素を供給しなければ,製品は真菌によって大きく膨らみません。この場合,製品は真菌耐性を有していると言えます。ISO 846 の試験では,試験体標本はブドウ糖を含む栄養価の高い溶液(寒天B)で恒温培養され,胞子も噴霧されます。この場合,試験体標本が栄養素を供給しなくても真菌が増殖します。従って,この試験で良い結果を得るのは極めて困難です。この状況で試験された製品は,真菌増殖抑制効果があると言われています。この試験方法では,特に防カビ剤の含有が試験体上での真菌の増殖を防ぐのに効果があります。防カビ成分が製品から浸出すると,いわゆるバリアハロー,つまり真菌のない円形ゾーンが試験体標本の周囲に形成されます。その後,ヒルティファイヤーストップ製品材料は使用の適正について評価されます。真菌によって曝露された全ての試験体表面がダメージを受けていなかいどうか,顕微鏡で検査されます。

試験結果とその解釈
ヒルティは,ISO 846 および ASTM G21 に準拠した栄養素を含まない寒天A溶液を使用して,全ての関連するヒルティ防耐火工法・製品を試験しました。これらの試験では,ヒルティ製品において,真菌の増殖は見られませんでした。これは,試験した全てのヒルティ防耐火工法・製品が真菌による攻撃やダメージを受けることがなく,真菌に暴露されても機能し続けることを意味しています。詳細な結果は,試験結果証として入手可能です。

まとめ

  1. 真菌はヒルティ防耐火工法・製品には発生しません。
  2. 試験したヒルティ防耐火工法・製品は,真菌による深刻なダメージから適切に保護されています。
  3. 真菌に侵された建物を修復する場合には,作業中に防耐火工法・製品も確認し,必要に応じて清掃又は交換する必要があります。
  4. 真菌増殖の原因を突き止めるため,最適な措置を講じる必要があります。



バリアハロー 試験体標本が 試験体標本が
が生じている試験体標本 膨張していない状況 膨張している状況

5.水密性(Water Tightness)


防耐火工法は,室内で火災が発生した場合に,建物内の他の区画への延焼を防止する役割を担います。しかしながら,消防士が使用する消火水やスプリンクラーシステムから放出される消火水により,結果として生じる損傷はより大きくなり,水損被害がより深刻になる可能性があります。 消火水は,壁や床(デッキ)のケーブルや管の貫通部を通り抜け,他の区画の居室(隣接する部屋)にダメージを与える可能性があります。 また,建物内で管が破裂する(損傷する)リスクも常時存在します。



この社内試験の目的は,選択したヒルティ防耐火工法が,一定の期間,1mの水柱圧力に対して水密性を有することを確認することです。 換言するならば,この試験は,ヒルティの防耐火工法が隣接する部屋や建物の他の区画への水の浸入を防ぐことができることを示しています。水密性を確保するためには,ヒルティの適切な施工手順に従って,ヒルティの防耐火工法(製品)が正しく措置されていることが不可欠となります。

試験方法
この試験は,UL (Underwriters Laboratories: 米国保険業者安全試験所) 1479,W-rating(米国の公式試験規格)の規格に準拠して実施されます。矩形コンクリートを準備し,中央に正方形の開口部を設置します。矩形コンクリートの寸法は40cm×40cm×10cmです。開口部の寸法は18cm×18cmです。開口部は,防耐火認証(認定)に則って,防耐火製品(工法),写真の試験体はヒルティCP 601S 防火シーラントで密閉されています。次に,内径29cmのガラス管を矩形コンクリートに固定します。 ガラス管を保持するコンクリートとアルミニウムフランジの間には,ヒルティCP 619 防火パテが措置され密閉されます。さらに,ガラス管に着色された水を投入し,漏えいがないかどうか毎日確認します。


開口部にCP 601S CP 601S にガラス管と
防火シーラントを措置 アルミフランジを設置した状況

結果とその解釈
防耐火工法(製品)から水が漏えいした場合,試験結果は不合格となります。また,コンクリート上のわずかな湿気の痕跡は,試験結果として不合格ではありません。この試験は,ヒルティ防耐火工法(製品)の一般的な防水性を検証する目的,例えば外壁開口部への適用など,には適していません。それには,さらにより高い圧力又はより長期に亘る試験時間を設定する必要がありますが,本試験はそれらを実施したり補完したりできるものではありません。


試験体・試験装置設置状況
1) 1 m の水柱
2) 着色水
3) 試験体

6.ヒルティ製品の試験結果





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